着付け技能士試験1級実技受けてきました!既に受けた皆様、いかがでしたでしょうか?まい吉は全力使い果たし、ちょっと休憩中です。     英語ブログLet\'s put on kimono!のお引越し完了しました。

着付け技能士1級筆記試験、受けてきました!ついでに過去問研究。

着付け技能士の筆記試験を受けた皆様、お疲れ様でした!

試験日翌日には全日本着付け技能センターのサイトに令和元年の問題と解答が発表されていましたね。今回の筆記試験は問題の変更箇所がいつもよりも多かったように思います。

そこでまい吉は興味を持ちました。大きなお世話かもしれませんが平成27年から令和元年までの試験を問題ごとに深く掘り下げてみました。

過去問題および解答と照らし合わせてご覧ください。現在3年分(平成29、30年、令和元年)の過去問題を着付技能センターのサイトからダウンロードできます。

これから着付け技能士2級、1級を目指す方の参考になれば幸いです。

2019年7月9日は筆記試験結果発表でした。まい吉、先に進めます、実技受けます!

1級筆記試験

問題1着物の歴史

問いは4問。語群より適当なものを選択する。各2点。

時代の名称にその時代の特徴的な装束や新たに作り出された装束を選ぶ問題。

平成27~29年までは「時代に当てはまる装束を選ぶ」問題。平成30年と令和元年は逆になり、「装束に当てはまる時代を選ぶ」問題になり、選択肢も増えています。

 

平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
弥生時代:袈裟衣
奈良時代:右衽令
平安時代:十二単、束帯 ○ 束 ○ 束
鎌倉時代:壺装束
安土・桃山時代:名護屋帯 ー 選択肢 ー 選択肢 ー 選択肢 ー 選択肢 ー 選択肢
江戸時代:友禅染
明治時代:女袴
大正時代:名古屋帯
昭和時代:付け下げ

 

*名古屋帯とは縄の様な唐糸で組んだ帯で、その組紐の技術は朝鮮から佐賀の名護屋に伝わりました。

 

まい吉

時代をまたぐものは外されているようです。同じ読みの「なごやおび」、名古屋帯と名護屋帯は要注意です。

 

問題2 着物の部位と名称

問いは10問。語群より適当なものを1つずつ選択する。各1点。

平成27年と28年は女物袷の長着。

平成29年は男物長着と男物羽織。

平成30年では女物袷の長着の袖丈がくり越しに変更された。

 令和元年では女物袷の長着の袖付けが裾𧘱(すそふき)に変更された。

まい吉
男物も要注意です。必ず確認しておきましょう。

 

問題3 着物の文様

問いは3問。説明文に該当する文様を語群または図から選ぶ。各1点。

平成27年、29年、令和元年は語群から選択。

平成28年。30年は図から選ぶ。語群と図が交互で出題されています。

 

5年間で出題されたものは…

有職模様:平安時代の公家の装束や調度品の織物に施された。紗綾形・立涌・七宝・亀甲・菱文

吉祥模様:めでたい、縁起の良い模様。平安時代に中国から渡来。熨斗・鳳凰

四君子:4つの植物、蘭・菊・梅で表す文様。

幾何学図形に似た文様:格子・麻の葉・市松

*文献によって属する文様が微妙に違いますが、こちらでは試験解答に従うと瑞雲が有職文様になってます。(平成30問題3より)吉祥文様だと思うんだけどなー???調べれば調べるほどわからなくなってきた…自然文様とかもある…

 

問題4 男女の着物の違い

問いは6問。語群より適当なものを語群から1つずつ選択する。各2点。

出題の形式がちょこちょこ変わっていますが基本的な内容は同じです。

女ものと男ものの着物の違いはこちら↓

女ものの着物 身丈に仕立てる 振りがある 身八口がある くり越しがある 広衿・バチ衿
男ものの着物 着丈に仕立てる 人形がある 身八口はない くり越しがない 棒衿

 

まい吉
共衿(掛衿)、まち、身幅など惑わせる語句も入っていますが、「着物は、袖には、脇には」と書かれているので問題文をよく読めば大丈夫です。

 

問題5 着物のたたみ方

問いは5問。語群より適当なものを語群から1つずつ選択する。各2点。

平成27年から30年まで「本だたみ」、令和元年は「長襦袢のたたみ方」に。

 今までの着物の本だたみから長襦袢のたたみ方に変更されました!

本だたみがずっと続いていたので{もしかしたら…?」と他のたたみ方も確認しておいて正解でした。とは言え、長襦袢ですから皆さんも常にたたんでいることでしょう。ばっちり正解でしたか?

まい吉

羽織などのたたみ方が紛れていますが、袖の位置や図にある丈などを見比べれば判断がつくと思います。分かりづらい時はたたみ終わりから考えていきます。

 

問題6 着物の織、三原組織

問いは3問。語群や図から適当なものを1つずつ選択する。各2点。

平成28年、30年、令和元年は語群から選択する。

平成27年。29年は図から選ぶ。元年は説明文を語群の織り方と一致させるものでした。

問題の内容自体は5年間同じです。

 キーワード

平織:交互に。最も古い。現在でも多く用いられている。

綾織:組織店が斜め。

朱子織(繻子織):組織点が少ない、連続しない。浮かせた。

過去問の図を見るとよくわかります。

 

問題7 織物の特徴

問いは3問。語群から適当なものを1つずつ選択する。各2点。

縮緬、塩瀬は必須!令和元年、新たに羽二重参入。

 5年間の試験で全く出題されていなかった羽二重が加わりました。

平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
塩瀬
縮緬
羽二重
綸子

 

 キーワード

塩瀬:布面によこ畝。

縮緬:撚り無しのたて糸。強撚のよこ糸。平織。特殊な液体。精練。

紬:玉繭。真綿。くず繭。

綴:ギザギザの爪。櫛。色の境目にすきま。

絽:平織。紗織。夏。染生地。

羽二重:細かい織目。滑らか。艶。礼服。羽織裏。平織。

紗:からみ織と平織。透けている絹織物。

綸子:染の着物地。光沢。紋織物。

紗と綸子は説明文で選択肢に入っています。

まい吉
それぞれの特徴を押さえておきます。解答にはなっていなくても説明文で載っているものは重要です。

 

問題8 染物の特徴

問いは3問。語群から適当なものを1つずつ選択する。各2点。

京友禅と江戸小紋は必須!令和元年、江戸友禅参入。

 5年間の試験で全く出題されていなかった江戸友禅が加わりました。

平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
京友禅
加賀友禅
江戸小紋・小紋
絞り
紅型
江戸友禅
更紗

 

 キーワード

京友禅:写生。繊細華麗。装飾画。御所解。有職。大柄。刺繍。金箔。

加賀友禅:自然。写実的。小ぶりな花。虫食い葉。五色。

江戸小紋・小紋:裃。布一面に細かい模様。

絞り:布地をつまむ、縮める。染液に入れて染める。

紅型:琉球。型紙染。

江戸友禅:粋。洒落。渋く落ち着いた色。

更紗:人物。花鳥。植物。インド。ペルシア。

更紗は説明文で選択肢に入っています。

まい吉
それぞれの特徴を押さえておきます。やはり、解答にはなっていなくても説明文で載っているものは重要です。

浅草にある江戸友禅館では友禅の着付け体験ができます。

 

問題9 着物の着用時期

問いは3問。○×正誤問題。各2点。

平成27、28年、令和元年は正誤問題。平成29、30年は語群から選択。

着物のタイプではなく、袷か単衣か薄物で判断します。

うっかり間違えやすいのは「5月から10月」という記述です。

○袷は10月から5月に着用する。 ×袷は5月から10月に着用する。

夏に袷を着たら大変なことになりますね・・・

  • 袷は10月から5月に着用する。
  • 単衣は6月と9月に着用する。
  • 薄物は7月と8月に着用する。
まい吉
この場合、体感ではなく従来の決まり事に準じます。

 

問題10 着物の用途、格等の合わせ方

問いは1問。説明文で適当なものを2つ選択する。2点。

説明文を若干変えて毎年同じ内容が出題されています。

礼装時の着物の決まり事は、「よく分からない」ことの一つでしょう。

必須事項はこちら↓

  • 五つ紋付きの色留袖は黒留袖と同格になる。
  • 絵羽模様の中振袖に袋帯は礼装になる。
  • 江戸小紋の中の一つである鮫小紋の着物は、色無地一つ紋の着物と同格にならない。
  • 小紋柄の振袖は、袖丈が長くても礼装にはならない。
  • 織の中振袖は、袖丈が長くても礼装にはならない
  • 女物の羽織は紋を付けても正式な礼装にはならない。

 

振袖でも小紋柄や織物は礼装にはなりません。紬の訪問着をお持ちの皆さん、いつ着てますか?(笑)

女ものの羽織はカジュアル扱いです。カーディガンのようなものなので、他のコートのように玄関で脱ぐ必要はありません。

基本的に結婚式での親族の既婚者女性の礼装は黒留袖・色留袖(・訪問着)で、未婚女性は振袖・訪問着です。

 

問題11 紋の種類

問いは6問。語群から適当なものを1つずつ選択する。各2点。

全体的な問題形式は変わりませんが、平成27、28年は石持紋についての出題が平成29年から紋の大きさについて出題されています。

 令和元年で紋のサイズが変わりました。

 

  • 男性 直径3.5㎝ → 3.8㎝
  • 女性 直径2.5㎝ → 1.9㎝

男性の紋は女性の紋より大きいです。

 

  • 日向紋(ひなたもん):紋の形を白く染め抜く。最も格が高い。陽紋、表紋ともいう。
  • 陰紋(かげもん):略式。紋の輪郭を細く白く染抜く。
  • 縫紋(ぬいもん):刺繍された紋。陰紋の形が多い。
  • 石持紋(こくもちもん):後で紋を書き入れるためにあらかじめ丸く染め抜かれている。
  • 五つ紋:背紋1、抱き紋2(左右両胸)、袖紋2(左右外袖)
  • 三つ紋:背紋1、袖紋2
  • 一つ紋:背紋1

 

 

まい吉
余談ですが、某きもの学院の講師だったので、式用に色留袖を「訪問着としても着られるわよー。」ということで一つ紋の縫紋で仕立てたことがあります。

 

問題12 帯の特徴

問いは3問。語群から適当なものを1つずつ選択する。各2点。

平成30年のみ角帯が入りました。その他は全て名古屋帯、袋帯、丸帯です。

 キーワード

名古屋帯:太鼓。胴巻は半幅仕立て。

袋帯:袋状。全通。六通。

丸帯:広幅70センチ。一枚の布地。両面に同じ模様。

角帯:男性用。

選択肢や語群に単帯、半幅帯、花嫁が打掛の下にする掛下帯や博多帯が出されたことがあります。

 

問題13 時期に適した小物の素材

問いは3問。○×正誤問題。各2点。

毎回出題、「礼装の半衿には塩瀬。」

 令和元年、振袖にパナマ草履は×から振袖には佐賀錦かエナメル草履が○に変わった。

 

その他要チェック項目

  • 縮緬の半衿は塩瀬のものより格下。
  • 夏の半衿は絽で長襦袢は絽、麻、紗。

 

問題14 着物と小物の合わせ方

問いは1問。4つの組み合わせの中から適当なものを1つ選択する。2点。

平成27年、令和元年は単語の組み合わせで、平成28~30年は説明文で出題された。

出題された主な組み合わせ例(正解のみ)はこちら↓

  • 黒留袖(袷・単衣)は白の丸くけか白か金銀の組紐帯締め
  • 黒留袖の長襦袢は白
  • 喪服の草履は黒の布製、または艶消しの革製

 

毎回出てくる中振袖にコルクか爬虫類の草履の組み合わせはNGで。礼装の足袋は白ければ刺繍入りは可もNGです。

まい吉
特に喪服の仕様は地域によって異なる場合が多々あります。

問題15 着付け時の心得・作法及び技法

問いは1問。5つの説明文から誤っているものを2つ洗濯する。各2点。

こちらは問題の内容自体に変化はありません。順番は変わり、文言も多少変わります。語尾を「する⇔しない」など肯定を否定に、またその逆にして解答を変えています。

  • まず、ご挨拶。
  • 身だしなみや手は清潔に。
  • お預かりした着物、レンタルでもこれから着付ける着物等は大切に扱う。衣装箱に入れ、着物専用クリップを使う。敷物を使う。
  • お客様の持ち物であり、肌に触れるであろう紐類は絶対首にかけない
  • 着付け師は装飾品は外す着物や帯を傷めてしまっては大変ですね。
  • 正装は格式・約束事を守る

 

考えてみれば、ごく当たり前のことですね。お客様や着物に対する気遣いを忘れないようにします。

問題16 着付け関係の法規

問いは1問。4つの説明文から誤っているものを1つ選ぶ。2点。

こちらは問題の内容・文言自体に変化はありません。法規ですし。順番は変わりますが、解答内容は同じです。

要するに、美容師さんの免許がなくても報酬をいただく着付けはできるということですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

じっくりと見ていくと、この試験は落とすためのものではなく、着付けをする上で最低限必要な知識を覚えて、そして受かって「次の実技試験をしっかり受けてください。」的な内容です。問題文や選択肢の中にヒントとなる言葉が入っているので、最後までしっかり読んで答えましょう。

1級は70%以上正解、2級は60%以上正解で合格です。

なお、1級筆記試験は2級筆記試験の内容も網羅しているので省かせていただきました。

2019年6月現在で着付技能センターのHPでは平成29年から令和元年の筆記試験過去問題3年分を閲覧することができます。

これから試験を受ける予定の方は、ぜひトライして傾向をつかんでくださいね!!!

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